
株式会社crack代表の、ずっぴーです。
焙煎を始めたばかりの頃、私は温度計とタイマーばかり見ていました。何度で何分。そのレシピ通りにやれば、いい豆になるはずだと思っていたのです。でも、うまくいきませんでした。同じようにやっているのに、味が安定しない。
あるとき、師匠に言われました。「豆の音を聴け」と。それからです。焙煎機の前で、耳を澄ますようになったのは。すると、分かってきました。豆は、ちゃんと話しかけてくるのです。今日はまだ早い。もう十分だ。そういう声を、ハゼの音が教えてくれる。
農家が三年かけて育てた豆の
最後の十数分を預かる
その責任を思うと、いまでも焙煎機の前では、背筋が伸びます。私たちにできるのは、豆の声をよく聴いて、その一粒がいちばん輝く瞬間に、火から下ろすこと。それだけです。
crackの一杯で、その豆が語りたかったことが、少しでも伝われば嬉しく思います。